育児・介護との両立を図る
看護職は女性が9割であり、その働く職場の多くが24時間体制で医療・看護を提供しています。そのため、育児・介護支援はもちろんのこと、すべての看護職に対してライフステージに合わせた柔軟でやさしい人事システムを目指そうという流れが広がってきました。あなたの大切なキャリアを、”プラチナ”世代まで安心して延ばせる方法も確立されつつあります。ライフの満足はワークの満足につながります。ライフステージを意識しながら、看護職の皆さん一人ひとりがオンリーワンの働き方モデルを目指してください。
働く人のエピソード
<育児と両立しながら働く人のエピソード>
子どもが幼児や義務教育課程であっても、家庭を離れる研修(数日から1か月程度)に対して夫が受け入れ対応してくれたことはありがたかった。常に対等な夫婦関係を模索しつつ、子育て期には子ども優先を共有できたことがよかった。 また、3人の子どもそれぞれに1年程度の育児休業を取得したが、それを許す職場であったことが仕事を続けてこられた大きな要因であった。自分が管理的な立場になったときに、「恩返し」ではないが後輩にもキャリア継続のための支援をしたいと強く思うのは、自分が希望どおりの育児休業を取得できたからだと思う。
私のキャリア
病院(400~499床)→都道府県・保健所、市区町村・保健センター
子供が生まれて幼い頃、度々具合が悪く、保育園からの呼び出しや朝の発熱で預け先がないなど、子育て経験者なら誰でも経験した困難がありました。そんな時、新しく働いた職場は、上司や周りのスタッフの温かい支援と理解があったおかげで、仕事の都合をつけてもらい、子育て仕事を両立することができました。その時はとにかく必死でしたが今となっては、仕事で経験した看護に加えて、人として、女性が働くこととして大切なことを教わったと思っています。今は自分の子供が大きくなり、仕事人間となっていますが、その時に受けた恩をこれから私と一緒に働く子育て中の同僚たちに返していきたいと思っています。
私のキャリア
病院(500床以上)→有床診療所→病院(500床以上)→病院(300~399床)
子供に恵まれたが同居の親もおらず、どうやって仕事と子育ての両立をしていくか、果たして病院勤務を辞めた方が良いのかなど悩んでいましたが、夫が転職を決意し、子供の養育に主に携わることを決めてくれました。子供が幼少時に、夜勤や当直も多い看護師長職でありましたが、夫が主に子育てに携わってくれたので、私はとても安心して仕事を継続してきました。これで良いのかと迷った時期もありましたが、夫の分まで自分のキャリアを積み上げていかねばならないと自覚するようになってきました。夫が仕事を断念した分、経済的事情は苦しくもありますが、何を最も大事にして家族のスタイルを決めていくのかは、本当に多様だと思います。私の看護キャリアは今も夫と二人三脚です。
私のキャリア
病院(500床以上)→養成所・大学等→病院(100~199床)→病院(300~399床)→病院(500床以上)→病院(200~299床)→病院(500床以上)→病院(200~299床)
子育てをしながら勤務している時に、子供が病気になり、保育所に預けられないときは、近所の方が預かってくれたため、仕事を休まずすることが出来ました。もちろん預かってもらっているため、お互いのためにお金は支払っていました。そのような近所付き合いというか顔が見える関係つくりをもっと行っていけば、働きやすい環境を作ることができると思います。しかし、今のお母さんたちは病気の子供を自身で看病してあげたいと思う方が多いと思うので、時代にはマッチしていないかもしれません。
私のキャリア
病院(99床以下)→病院(100~199床)→病院(100~199床)
共働きが多い世の中、子育てと仕事を両立していくためには、周りのサポートがとても大切だと考えます。その上で今の職場は看護職が働く時間帯も選べ、大変助かりました。周りに助けられた分、今度は子育てが楽になったことで自分が周りのスタッフのサポートができれば良いなと思っています。どの職場でも、よい経験ができよい人たちに恵まれてここまでこられたことに感謝しています。
私のキャリア
病院(500床以上)→居住系介護施設(老健、特養、グループホーム等)→訪問看護ステーション→無床診療所→有床診療所→病院(100~199床)→無床診療所
<介護と両立しながら働く人のエピソード>
30年以上前のことですが、母ががんになり、自分も妊娠して通常の病棟看護師の業務ができなくなった時に退職を申し出ました。制度は有りませんでしたが、看護部長さんが母の看病のために休んでいいと言ってくださり、1か月ほど休みを頂きました。母が亡くなった後は、妊娠中のため夜勤のある病棟ではなく、訪問看護に異動させてもらいました。当時、訪問看護部門はなかったので新規部署としての立ち上げでした。産休後、10年ほど訪問看護に従事して、病院勤務に戻りました。現在は副看護部長となり、当時、看護部長さんが組織と交渉して随分と勇気のいる決断をしてくださったことがしみじみとわかる立場となり、今も深く感謝しています。職員の働き方は様々です。働き続けられるように今度は私が支援していく番だと思っています。
私のキャリア
都道府県・保健所、市区町村・保健センター→病院(400~499床)→訪問看護ステーション→病院(400~499床)
神奈川県が行っている女性のキャリアの研修に行った。結婚、出産、育児というライフイベントに対して、自分が何に価値をおいているのかを整理するのに役立った。実母の支援を受けて働き続けている方を多く知っているが、私は子供の出産から小学校入学までに義理両親、実父の3人を見送ることとなった。まさにダブルケア世代。非常勤職員に対して介護休暇を与える余裕がある施設はあまりないと思う。まさに綱渡りだったが、一定の期間休みをもらい、温かい言葉をいただいたことが非常勤を続けるうえで支えになったと思う。
私のキャリア
病院(400~499床)→病院(500床以上)→養成所・大学等→養成所・大学等→その他(看護協会)→病院(200~299床)→養成所・大学等→養成所・大学等
総合病院で、長年勤務してきました。三交代をこなし日々の生活に追われていた時、突然にその日がやってきました。家族が病気で倒れ、介護が必要になりました。私の生活は一変し、介護をしながら空いた時間でできる仕事を探さなくてはいけなくなりました。総合病院でしか勤務をしてこなかったので、看護の経験をいかして、他にどんなところで働くことができるのか不安でした。 ナースセンターに相談し、様々な働き方を紹介していただきました。私の不安も軽減し、今は空いた時間に単発のお仕事を入れています。こちらの事情もご理解いただき、少しずつ無理なくお仕事ができています。
私のキャリア
病院(500床以上)→病院(500床以上)→都道府県・保健所、市区町村・保健センター
両親の介護に直面した時、周囲の医師、看護師、家族の意見も取り入れて、社会資源を上手に利用して細々ながらも仕事ができたこと、介護認定や施設への申し込みを自分が体験したことにより、すべてが理解できて現在の職場で役立っています。お金には代えられない貴重な経験が積まれたことに両親はじめ、協力いただいた職場の皆さまに感謝しています。
私のキャリア
病院(200~299床)→病院(200~299床)→病院(99床以下)→病院(200~299床)→病院(200~299床)→病院(200~299床)→居住系介護施設(老健、特養、グループホーム等)→病院(200~299床)→居住系介護施設(老健、特養、グループホーム等)→病院(100~199床)→無床診療所
知っておきたい制度
○厚生労働省運営 ポータルサイト:女性の活躍・両立支援 総合サイト
仕事と家庭の両立支援の情報が掲載されています。
http://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/
○厚生労働省運営 ポータルサイト:仕事と育児 カムバック支援サイト
再就職支援情報やファミリーサポートセンター情報、保育所情報などを検索することができます。
http://comeback-shien.mhlw.go.jp/
○厚生労働省HP:【平成29年10月1日施行対応】 育児・介護休業法のあらまし
育児・介護休業法の詳細について説明されているパンフレットです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/000103504.html
○厚生労働省HP 「介護離職ゼロ」ポータルサイト
介護保険制度に基づいた介護サービスや介護と就労の両立支援制度の関連情報が掲載されています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000112622.html
○厚生労働省HP:【平成29年10月1日施行対応】 育児・介護休業法のあらまし
育児・介護休業法の詳細について説明されているパンフレットです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/000103504.html