都道府県
都道府県は、国の政策動向や社会の変化を鑑みながら、都道府県内の保健医療福祉の情報収集、実態分析を通して、課題分析を行います。また、その解決に向けて、看護職の専門性を発揮しつつ、広域的な視点をもって健康づくりや地域づくりの施策に関わることができ、やりがいと魅力を感じます。都道府県で働く場合、都道府県庁(本庁)や都道府県内保健所等への異動があるため、都道府県内を俯瞰的にみられること、人的ネットワークが広がることも仕事を続けていく上でとても魅力を感じるところです。
仕事の内容
<本庁>都道府県の保健医療福祉関連施策の推進を図るため、保健所等の事業実施部署と連携しながら、地方公共団体全体としての施策の企画、調整、評価を行っています。そのため、事業実施部署の活動に対して技術的・専門的な支援を行います。
<保健所>感染症、精神保健、母子保健、難病対策および児童虐待予防など専門的保健サービスの提供を行います。また、健康危機管理体制の構築や保健・医療・福祉など関係機関及び関係職種と連携した広域的な地域包括ケアシステムの構築、各種保健計画の策定支援、医療計画の策定や二次医療圏を中心とする医療機能連携の構築など、広域的・専門的・技術的拠点として保健活動を実施します。
一日の流れ(例)
働く人のエピソード
[60代/女性]
新任期から中堅期においては主に保健所で勤務し、担当地区内を駆け回り、母子・成人から結核・難病、精神保健、児童虐待の対応等地域保健の全てを担い、個別支援から地区組織活動に奔走。定年退職まで11年間の本庁勤務では、管理職として保健医療介護行政に幅広く携わる中で、訪問看護の体制整備や在宅看取り支援など在宅医療体制整備に取り組んだ時には、全国でも先行的に取り組んだため参考にする自治体があまりなく苦労も多かったが、新しいことに取り組むことにやりがいもあった。本庁では予算対応、議会対応で県庁に泊まることもあったが、全県下を俯瞰的に見て、政策提言に関与することができたことは行政保健師で良かったとつくづく感じた。本庁勤務を機に職位も徐々に上位へ移行する中で、職責も大きくなるが、勤務していた自治体において保健師初の保健所副所長ポストや本庁課長職ポストを拝命し、本庁勤務はキャリア形成のターニングポイントとなった。
私のキャリア
都道府県→保健所→都道府県→保健所→都道府県→保健所→その他(県精神保健福祉センター)→都道府県・保健所→都道府県本庁→都道府県・保健所→都道府県本庁
[30代/女性]
病院勤務の後、嘱託職員ではありましたが以前より興味のあった市町村保健師の仕事について、短期間で広範囲の業務を経験できました。妊婦から老人まで様々な事業に関わることができ、成人に対しては特定健診指導の研修にも参加させてもらい、乳幼児に関しては発達障害スクリーニングについての研修にも参加できました。何よりも自分の努力次第で住民との関係を作ることができ、慕ってもらえることがとてもやりがいにつながりました。その後、地域包括支援センターで介護保険をはじめ在宅医療、在宅介護等の実際を学ぶことができました。病院から在宅にかけての一番大変な時期を、様々な人材・サービスをコーディネートしながら自分にしかできない援助をできることにやりがいを感じています。
私のキャリア
病院(500床以上)→都道府県・保健所、市区町村・保健センター→市町村地域包括支援センター
[20代/女性]
私は大学病院の急性期領域で3年間勤務しました。急性期医療では、看護師として貴重な経験を積むことができましたが、患者さん達の退院後の生活を見据えた支援を行いたいと考えるようになりました。病院を退職し、現在は保健センターで保健師として働いています。病院勤務での経験を活かし、医療を必要とする在宅療養中の人々への個別支援の充実や地域での新しい事業をつくりたいと考えています。
私のキャリア
病院(500床以上)→都道府県・保健所、市区町村・保健センター