訪問看護ステーション/
看護小規模多機能型居宅介護
訪問看護は、地域の中で「看護」を活かすことができる仕事です。地域で暮らす小児から高齢者まで、幅広い年齢と様々な疾患の利用者に対し、じっくりと時間をかけて関わります。病気や障害を持ちながらも、様々なサポートを受けて自宅で暮らす利用者からは教わることが多く、やりがいを感じると共に、自分自身の成長にもつながります。特に看護小規模多機能型居宅介護(以下、看多機)では、訪問看護、デイサービス、短期間の宿泊を組み合わせて利用者に対応できるため、利用者一人ひとりが今まで生きてきた歴史やその人本来の生活に寄り添うことができ、多職種スタッフと一緒に、悩み、喜び、必要なサポートは何かを考えます。また、包括報酬により、従来の制度の枠を超えて、多職種スタッフと一緒に様々なことができるようになり、日々「生きる」を実感しながら楽しく仕事ができるのが魅力です。
仕事の内容
訪問看護では、利用者の身体的ケア、医療機器(人工呼吸器、在宅酸素、腹膜透析等)の管理や家族のサポート、精神的ケアから看取りまで、様々な年齢や病気を持つ利用者に関わります。1日の中で、0歳の子どもの入浴介助をしたり、看取り間近のがんの方をケアしたりと幅のある看護を行います。それが地域で暮らす人を看護することだと感じます。看多機では、看護師、理学療法士、介護士、ケアマネージャー、事務員が一体となって関わるため、利用者ひとり一人への関わりがより深くなり、その人らしく暮らせるよう多方面からサポートすることができます。看多機は一見、誰が看護師か介護士かわからない「ごちゃまぜ」状態に見えますが、それぞれの専門性をキラッと光らせ、利用者の暮らしを支えています。また、地域には、家族と暮らす利用者もいる一方で認知症を患いながらも一人で暮らす方もいます。その場合には、自事業所だけで関わるのではなく、地域の方の協力も必要です。その協力の幅を広げる活動も、訪問看護師の社会的意義であると思います。
一日の流れ(例)
働く人のエピソード
[40代/女性]
地元の看護学校を卒業後、地元の総合病院に就職しました。今、振り返ると、その時の看護が私の基盤となっています。内科で勤務していた時に、肺がんの初期診断から手術、治療、終末期に至る数名の患者さんに出会いました。疼痛コントロールが出来ずに苦しむ姿や、最期は自宅に帰りたいとう願いが叶わなかった患者さんの姿を見て、緩和ケアを学びたいと思い、オーストラリアへ留学しました。オーストラリアの看護師の資格を取得した後、修士では看護師の看取りに関するストレスについて研究しました。その間、ホスピスで看護師として勤務した経験もあります。帰国後、研究をしたいと大学で教員として勤務しましたが、結婚を機に千葉へ移りました。その後、様々な方との出会いで在宅での看護実践を行いたいと思い、訪問看護ステーションを立ち上げ、4年後には看護小規模多機能型居宅介護を開設しました。今後は、後輩育成や地域の看護師と一緒にケアの充実に尽力していきたいと思っています。
私のキャリア
病院(500床以上)→海外(オーストラリア)→病院(100~299床)→養成所・大学等→訪問看護ステーション・看護小規模多機能型居宅介護
[50代/女性]
訪問看護ステーションに勤務しながら、週末2日間の通いで訪問看護認定看護師の資格を取得できたことがよかったです。 地域包括ケアをはじめ、在宅医療看護が推進される今こそ、地域・多職種・同職種から、認定資格が求められています。常に視野を広く持ち、専門分野に関する勉強を持続するようになりました。さらにコミュニケーションに関してもスキルが向上しました。行政をはじめ、地域・他職種・同職種から認定看護師として意見・教育・高度な看護実践を求められるので、確実に自分のキャリアアップにつながっています。
私のキャリア
病院(500床以上)→無床診療所→養成所・大学等→養成所・大学等→訪問看護ステーション
[50代/女性]
訪問看護師になったことで、子供が小さくて夜勤や休日勤務ができなくても常勤で働くことができました。やりがいも見つけ、下の子を保育園に預けながら認定教育を受けることもできました。信念を持って臨めば、無理に思えることも乗り越えることができました。これまでのいろいろな職場での経験がすべて訪問看護に活かされていると感じています。人生において無駄な経験はないと思います。
私のキャリア
病院(500床以上)→無床診療所→病院(99床以下)→病院(99床以下)→病院(400~499床)→病院(300~399床)→訪問看護ステーション→訪問看護ステーション
キャリアプラン
○訪問看護・看多機(かんたき)ってどんな仕事?(eナースセンター)
https://www.nurse-center.net/nccs/Jb02/jbd0326